教えてほしいホームページ作成

NSFネットは、「バックボーン」と呼ばれる全米を結ぶ基幹通信網と、各地域のネットワークをもっており、地域ネットワークを順次民営化して、全部終わったらバックボーンをたたむということが初めから計画されていたのです。
こうして、地域ネットワークは現在ではすべて企業になって、かなり有利なスタートを切りましたし、NSFネット自体が、九四年の末になくなりました。
日本の場合は、このような国の援助はありませんでした。
しかし、民間が先に始めてここまで成長したのだから、いまさら国がネットワークを運営する必要は全然ありません。
必要なぶんだけ、民間から買うということでいい。
もちろん研究用とか、内閣とか、行政とかのネットワークをつくるという考え方もあるかも知れませんが、それも、民間から買ってかまわない。
国がネットワークをつくる必要はもうないということは、いま日本の政府はわかっています。
ですからネットワークに予算をつけるなら、各組織に、ネットワークに加入するための資金をつけるのがよいわけですし、そうなってくると思います。
国がネットワークをつくると、予算はある目的のために付けられるという性質上、ネットワークの使用目的がかなり限定されることになる。
つまりAUPがどうしてもきつくなってしまうのです。
それが、民間ならかなりAUPが自由になるので、インターネットが自由なコミュニケーションへ向かうということを考えれば、そのほうがいいのです。
NSPの足取りを見ると、国のセグメントがどうしても必要不可欠だというわけではなくなっていった過程だと言えます。
つまり、NSFネットを中心龍ハブにできていたから、インターネットは必ずNSFネットを通るという状況が、まずありました。
世界のインターネットはNSFネットのバックボーンを通らなければ成り立たない時期があったのですが、バイパスが徐々にできて、やがて張り巡らされて、NFSは店じまいをし、バックボーン部分も商用ネットに渡されたのです。
インターネットの管理と連用NSFネットがなくなり、そのバックボーンがなくなったいま、インターネットの世界でコアになるネットワークは本当になくなりました。
インターネットは、完全に離散的なネッインターネットの変遷トワークの集合になりました。
以前は、インターネット全体の統計とか傾向などは、NSFネットをもとに調査したり算出したりしていたのですが、それがなくなって、インターネット全体の傾向を考えるにはどこを見ればいいのか、わからなくなりましたし、したがって、インターネットの運営も、もはやそのような形ではありえなくなりました。
強力なリーダーシップというものは、ありません。
それでは、今後インターネットはどのように運営されていくのでしょうか。
その仕組みを少し歴史をさかのぼって、説明することにします。
そもそも、インターネットをめぐる組織には、IEPG(インターネット・エンジニアリング・プランニング・グループ)とCCIRN(通称カーン。
コーディネーティング・コミッティ・オブ・インターコンチネンタル・リサーチネットワーク)という、「双子」のグループがありました。
IEPGは、NSFネットや、日本のインターネットのグループや、オーストラリアのグループ、といったように各国のインターネットの運用でリ「ダーシップをとっていた人間二、三十人が集まった、運営のためのプランニング・グループでした。
一方CCIRNは、ヨーロッパとアメリカの政府レベルの研究ネットワークの回線の調整をするグループでした。
CCIRNが国際間の研究調整を政府間でして、それを受けて自国のエンジニアにIEPGが命令をするという仕組みでした。
私はIEPGにいて、当時日本は政府がネットワークをやっていなかったので―やがて学術情報センターが入ってきましたが―上も下も見るというような立場にいました。
要は、CCIRNは、政府間の調整でやるのだと言い、IEPGはインターネットはパケットが通ればそれでいいのだと言い続けて、ついに二つはケンカわかれとなりました。
その後、CCIRNは政府間の調整というより、ポリティックスの議論の場となりました。
そこでインターネットは、IEPGがIETF(インターネット・エンジニアリング・タスク・フォース)と一緒になって、国際運用のだいたいの調整をつけるようになりました。
困ったことがあったときに集まって、方針を出し、互いに協力していきます。
エンジニアの意見が最優先いまのインターネットで技術の方針や細目を決める、いちばん重要なグループは、このIETFです。
これは三〇〇〇人ほどのエンジニアが各分野に分かれているのですが、電子メインターネットの変遷ルール上でつくられている組織で、年に三回、実際に集まって、作業を行います。
ほとんどのRFCというインターネットの標準を含む技術関連文書をつくります。
これは事実上のインターネットの標準規格に相当するようなものですが、「リクエスト・フォー・コメント」という原語、すなわち「こういうことを考えていますが、意見を聞かせてください」というところにも、インターネットの精神が現れています。
大きく分けて一〇、細かくは約一〇〇の専門のグループに分かれて議論をしていますが、完全にオープンで、誰でも入って議論ができます。
このIETFの約―〇くらいのエリアのチェアマン―電子メールの専門家グループのチェアマン、セキュリティの専門家グループのチェアマンなど―が、IESG(インターネット・上ンジニアリング・ステアリング・グループ)という代表者グループを形成しています。
また、インターネット全体のアーキテクチャーを全体の外側からみたときの問題とか、ほかの標準との関係とか、そのようなことをみるための人間が、IETFのメンバーのなかから投票で選ばれて、これがIAB(インターネット・アーキテクチャー・ボード)という有識者の集まりのような感じの小グループです。
いま一三人ぐらいで、私はアジアから初めてのメンバーでした。
少しややこしいですが、(IETPの代表者グループの)IESGも、このIABの―部です。
ここにはさらにIRTF(インターネット・リサーチ・タスク・フォース)というグループがあり、IABで概念的な方針が決まるわけです。
インターネットの運用面でいちばん重要なのはIANA(インターネット・アサインメント・ナンバー・オーソリティー)です。
これが世界中のコンピュータ(正確にはそのインターフェイス)に、どのようにアドレスをつけるかを決めるグループです。
もちろんIAB、IESGと連携しています。
この下部にNIC(ネットワーク・インフォーメーション・センタ⊥が三つあります。
これかIANAの指示で、アドレスの割り当てを委託されています。
アジア・パシフィック地域はAPNIC、ヨーロッパはNCC、アメリカはインターNICという名前です。
大きく分ければ、つくる人間(IETF)、運用する人間(IEPG)、割り当てる人間(IANAおよびその下部のNIC)となります。
そしてIABとIESGはIETFの代表者として、アーキテクチャーと、エンジニアリングと、割り当てを考えるわけです。
まとめなおしますと、新しい技術がつくられて、それが正しく運用されること、それにともなってアドレスとドメインがきちんと正しく割り当てられること―これだけできている。
インターネットの変遷はインターネットはうまくいくわけです。
そのためのミニマムな仕組みを世界でつくっておけばいい。
それだけを考えて、それ以上のよけいなことは考えない。
そして、やるときは必ず、エンジニアからのフィージビリティ(実現可能性)の報告に基づいて進めていくことが重要な特徴です。

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